ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

美容院は道場だ

私が結婚した頃、自分で髪の毛を切っていました。 美容師ではなくシロートの私が、です。

よくもまぁこんなガサツな男と結婚したなと奥方には感心するのですが、 この時点では
肩書=コスメティックルネッサンサー
とはとても言えないモサ男でしたね。

若いって怖い。

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それから

さすがに自分で髪を切るのはダサいだろうと思った私は、 よくある男の理髪店に行きました。 いつも割と長めの髪型をしている私が、 注文とは全く違う豪快なスポーツ刈りにされ、 もう行くものかと思いました。

そこで登場したのが1000円カットでした。 見知らぬ子供たちと行列に並び、美容師さんを指名することなく 流れ作業の床屋ですが、とっつぁんが切る理髪店とは違い、 オシャレというか奇抜な髪形のスタイリストさんが揃っているお店でした。 そしてそこそこ歳相応の髪形にされて、 私はとりあえず満足していました。 ああいうお店にも、ちゃんとしたスタイリストさんはいるんですよね。

月日は流れ、我が子が生まれるころになると、 今度は「掃除機で頭を吸われる1000円カット」が身近なところに登場しました。 いやあ、惹かれますよね。 だって掃除機ですよ? 絶対気持ちいいじゃないですか。 しばらくそのお店に通うことになったのですが、 ある時、トラブルメイカーなスタイリストジジイおじさんに当たってしまったことがあり、 いつもと同じ注文をしたはずなのに、 前髪にハサミを3回ほど入れただけで終わりにされ、 いやいやジジイ、そんな注文してないでしょ? と柔らかく言ったところ。 「あんたの注文が悪い」と返してきたので、

これっきりだと思い

それっきり行くのを

辞めっきりました。

生まれた子供が女の子だったから

どんな父親になりたいのかを考えたとき、 臭い、汚い、カッコ悪い3Kオヤジにはなりたくないと思いました。 出来ればたとえバカでもアホでも「カッコイイ父親」と思われたかったのです。 そこで私は奥方に相談しました。 髪を切る予算を増やしたいのだ、と。 ある程度の予算を決め、私は美容院探しを始めました。

と、言っても32歳くらいの私だったので、 若い女子がズラッと並ぶ工場みたいな美容院は避けたかった。 出来ればこじんまりとした、男が行きやすそうな美容院が良かったのですが、 これがなかなか無いのです。

「メンズカットO.K」なあんて書いてあったりしますが、 どうみても女子風味のあるお店ばかりで男は卑屈になります。 きっと男相手じゃ儲からないからでしょうね。 そして私が選んだお店は美容院のようで「理容院」のとあるお店。 「女人禁制」という武骨なお店でした。

どんな髪型にするか

私は奥方に相談したのですが、 具体的な芸能人のこの髪型!的な注文がわかりやすかろうということで、 奥方が挙げた芸能人の髪型にすることにしました。 と、いってもその方の名前を聞いてパッと出てこない。 なんでもその時ようやくドラマに出始めたくらいの役者。 お店の人にその方の名前を言うと、 「…ちょっと調べますね」と知らない様子。 新規の客ということで、 「全力でこの役者さんに近づけますねっ!」と力強いお言葉。 私はそのお店でスタイリストさんの凄みを始めて知る事になります。

特に、トーク

私は己のトーク技術を磨くために、 キャバクラに行ったりしていました。 いや、アレですよ。 だれかに入れ込んでいたワケではなく 「トークのプロ」として女子諸君からトーク技術を 学ぶ目的だったわけです。 ※何を言ってもウソ臭いですね。

実際、彼女たちのトークは凄いですよ。 外国から来たプロ野球選手が日本語を覚えるために 夜の店に行くってのは案外本当かもしれませんね。(なんか違うけど) それに負けず劣らず、スタイリストさんのトークも凄いと思いました。 それも髪を切りながら話をするワケですから、 まぎれもなくトークのプロ。

髪型を整えてもらいながらトークを学べる。 美容院はトークの道場だと以来思っています。 ※厳密には理容院でしたが。

だから「本読みますか?スマホやりますか?」 なんて言われても、 いえ、お話ししましょう。 と返します。私のトークを鍛える道場ですからね。

今では

女人禁制のお店はその後かなり値上げしてしまい、 我が家の予算をオーバーしたため、行けなくなりました。 腕前は凄かったのでヒジョーに惜しいのです。 今では別のお店に変え、結局とある役者さんの髪型にはしていませんが、 トークを磨く修行の場として美容院を活用しています。

それにしても、美容院のプライスって安いような気がします。 私は技術職ですから、「商品」というより「技術」を売るワケで、 美容師さんや理容師さんの施術料と変わりありません。 技術は安売りしてはいけないと思うのですよ。 安売り出来てしまう技術って、たいしたこと無いって証明してるじゃないですか? ただ、1000円カットで働く方が給料は良いと聞いて、 私は少し寂しくなりましたね。

だからお店が潰れないようにお金を落とさないと、 貴重な「メンズカットO.K」が無くなってしまう。 もう掃除機で頭を吸われるのはゴメンなのです。 たとえ見栄でも、頭を掃除機で吸われている父親って娘としては嫌だろうな、 と考えるのは娘に気を使いすぎかもしれませんが、 ここはトーク技術を磨く道場っつーことで、 納得しようと思います。

written by 日照ノ秋人 全体的になんの話だろうか


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