ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

心臓カテーテル検査体験記

年末に「オイ君。心臓ヤベェぞ」と言われた私は、新年早々病院に向かっていた。

ネットでいろいろと探してみたが体験談など全く語られておらず、不安が一人歩きしてしまった経験を踏まえ、これから心臓カテーテル検査を行うゾという方に少しの勇気と恐怖を与えようとするものでもある。

そう、これは「心臓カテーテル検査」に挑んだ私の記録である。

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私が体験した心臓カテーテル検査とは

経緯(iki☆satsu)は下に貼り付けたリンクを見てもらうこととして、

hiderino-akihito.hatenablog.com

心臓の動きに一部異常が見られた私は、「どこが」と「どのように」を探るべく心臓カテーテル検査を行う運びとなった。本来はエコー検査(私の異常が発覚)の次のステップはCTによる精密検査なのだが、異常具合が顕著だったため「結局やることになりそうなカテーテル検査」に飛び級で進むことになったのだ。

心臓カテーテル検査とは手首にある血管から管(くだ)を挿入し、 管の中のワイヤーを心臓の筋肉を動かす心臓付近の血管まで送り込み、造影剤を血管内に注入する。血管内部の「どこが・どのように」異常なのかを特殊なキャメラで撮影するものである。外傷としてはどこかを切開するということはなく、手首に1.3ミリの管を入れるだけなので、手首に穴が空く程度ではある。

ここまでサラッと書いてきたが、思い出すだけでも怖い。オバケが怖いと言うひともいるが、オバケは心臓にワイヤーを送り込もうとはしてこないのでカテーテルの方が怖いに決まっている。恐怖に向き合って恐怖が払拭されるワケではないが、いくら腹を括っても怖い事に変わりないので「怖さを楽しめ」なあんて無責任な寝言を言うオヂサンはギュッ!としてやりましょう。

当日の予定

前日夜から「水以外摂取不可」を言い渡され、当日朝も朝食は水のみ。すでに処方されていた薬は飲んで良い。(私の処方された薬に限り飲む、もちろんドクターに確認済み)病院に行き、入院の手続きなどをすると血圧測定やら点滴(生食)やらを一通り行う。検査開始時間が早く、回復が長引かなければ半日で退院出来る。

手術台に仰向けで寝て心電図やらを装着、両手を拘束され自分の手元は見えなくなる。麻酔を注射しカテーテルIN。麻酔が効くので痛みは少ないが、血管が細い私の場合は圧迫感やら引っ張られる感があり、腕の辺りがとても痛かった。ネットでは「麻酔により痛みはありません」と書いてあったが、ひとによると思う。

不安をあおって申し訳ないが覚悟は必要、痛いひとは痛いです。

何をやられているか全く見えないので献血でもやっていると思えば大丈夫、献血をやっているとは思えないけど。私の場合は痛かったが、「ひとによる」とか「場合による」は本当だ。改めて記事にはするが「検査」の先の「手術」まで経験した私は、検査時の管より太い管を入れられてもこの時より痛くはなかったからである。

ね、少しは安心した?

検査後の暮らしかた

止血の為、プラスチックのバンド(拘束具)を手首に装着し入院する部屋に戻される。ただ単に「ギュッ」とされるだけなので、その手を使ったりすると血が噴き出す可能性があり注意。ちなみにかなりの圧で拘束するため痛いが、私の場合カテーテル検査時の方が痛かった。

約1時間おきに拘束具が少しずつゆるめられ、5時間ほどで止血は完了となる。その間にドクターから結果を教えられ、今後の治療をどうするかの話になる。私の場合は心臓付近の血管が細くなっている部分が確認されたため、もう一度別の日にカテーテルを挿入し心臓カテーテルアブレーション手術を行う事となった。

それ以外はベッドで横たわるなどして5時間やり過ごすことになる。片方の手が使えないため文庫本を持ち込んでいたが、あまり有意義に読めなかった。 多くの人は動画など見るらしいが、私の場合はデジタルデトックスも兼ねて「のんびりする」と決めていた為、天井を見ていたり給水器まで歩いて行ったりするしかなかった。

血管内に注入した造影剤は有害で、体外へ排出しなければならず検査後の水分摂取と排尿は手が不自由でも意識しなければならない。私は排尿時に手を使ってしまい血が噴き出して1時間延長するハメになってしまった。

ぜひ持ち込みたいアイテム

私は別の日に改めて「カテーテル治療」を行ったため2回入院したのだが、「持って行けばよかった」とか「持って行って良かった」と思うアイテムをまとめます。まぁ、入院案内のしおりには書いてあったりしますが参考までに。

・スリッパ
病院にもよるが、靴の着脱に手が使えないと結構厳しい為スリッパ推奨。

・把手付きコップ
ペットボトルや水筒の蓋を「ねじる」動きがどうしても出来なくなる。他にも意外と生活の中で手首をねじっていることが多く、その動作が血が噴き出る原因になりうるのだ。どうしても水分補給が大切になるためコップは必要。もう片方の手は点滴を持たなきゃいけない為、カテーテルを入れた方の手でコップを持つ。私の場合「紙コップ」を持参したが、柔らかいふにゃふにゃの紙コップは意外と手首を使って持っていることに気付く。指に引っかけられる「把手(とって)」が持ち運びに効いてくるのだ。「把手がとっても良い」とか、病院内で思っても口にしないようにしよう。

・スプーン
半日入院といえど一度は病院食を口にする機会がある。私のように利き手でカテーテルをやった場合、箸だと詰む。私は1度目でそれを痛感し、2度目でスプーンを持ち込んで確信した。スプーン、やるじゃん。

・イヤフォン
動画やテレビを見たいひとは必需品。もちろん入院案内にも「イヤフォン使え」と記されている。私の相部屋ジジイは持っておらすテレビを大音量で見始めたため、看護士にこっぴどく怒られていた。まぁ私がこんな場で書かずとも、思いやりさえ持ってたら……ねぇ。

医療費と退院後

朝イチで検査を行ったら夕方には帰る許可が下りる。医療費は私の場合4万円でおつりが来たくらい。※入院の環境によりプラスされる。「手術」にはならない為、任意の保険を申請する際注意。

傷口は痛いがシャワーなら入って良いとのことで、私は退院時に着けられた絆創膏をつけたままシャワーと患部以外は全部洗った。やはり手首の血管が細くダメージが大きかったのか痛みが引くまで2週間はかかったが、 その後の出血はなかった。(内出血はあった)

ここまでが私の体験したことのまとめである。
この記事が少しでもこれから検査を行う人たちに勇気と恐怖を与えられたらいいと思う。

本当の恐怖とは「知らない」ということ。
逆に「知った」は安心になる。

手術中、看護士さんに逐一かけられた「今カテーテル入れてます」とか「血管に温かい薬入れます」などの経過はひとによっては怖いかもしれないが安心感があった。結果的に検査結果から手術に至った訳だが、検査をしてよかったと思う。なぜなら、ひとはいつかは病院にお世話になるときが必ずあるワケで、 まだ若い状態の私が体の状態を具体的に把握できることは、今後大きなアドバンテージになると思うからだ。

ひとはあっけなく死ぬと思いきや、多くのひとは簡単には死なない。「いつかは皆死ぬさ」と放置していたら、症状が出た瞬間から不自由な体で残りの人生を生き続けなきゃならなくなるのだ。知れば対策がとれる、というのも大きなメリット。

さあ!恐れないで、レッツ検査!
っていつものノリに戻して申し訳ないが、不自由な体を手に入れる前に出来る事に向き合う、そんなアナタを私は応援します!

written by 日照ノ秋人 もちろん応援は無料です