ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

客観的になれるか ギブソンとメイドのビラの話

秋葉原に来ています。

「大阪好きやねん」が、「大阪大好きやねん」に変わるほど今年の10月は「秋の大阪まつり」でありました。


hiderino-akihito.hatenablog.com


家にいる日より大阪にいる日の方が多かった!
おかげでブログが全然書けなかった!
宿がとれず、ラ○ホにも泊まった!(なにやってんだか)

みなさん、がんばりすぎてはいけませんよ。
日照ノ秋人です。

楽器メーカーのギブソンが事実上の「経営破たん」のニュースから約半年。

秋葉原にきた私が思い出したこと。
今回は7年前ほどの昔話です。

客先の若い衆と休日の秋葉原に遊びに来た

年齢差などもあり、趣味趣向が違っていたため、現地自由散策になった 我々ご一行ですが、ある者は「AKB」、ある者は「フィギュア」、 そして私は「楽器」とバラバラに散策をスタートしました。

楽器店をいくつかまわったのですが、その中にヤケにギブソン推しの一角がありました。 そこに客はひとりもおらず、店員がひとりポツンと立っておりました。

フリーダムな私がフラッと入って、しげしげと「ギブソン」ではなく「エピフォン」のギターを眺めていると、暇そうな店員が話しかけてきました。

「そのギター、良いですよ。下手なギブソンよりも全然良いです。」

え。

エピフォンは、現代ではギブソンの兼価版を製造しており、 「ギブソン欲しいけど、お金ないからエピフォンにすっか」 というような扱いのメーカーなのです。

価格を見ると10万円以下。 それがギブソンUSAの30万円ほどのものより良いというのが店員の言葉でした。

ギブソンの凋落

お客が私以外いなかったので、私と長話することになった店員ですが、 ギブソン推しの担当のくせにギブソンを推さずにむしろ落としてくるのです。

なんでも当時、ギブソンの生産工程が刷新、職人の手を入れる工程が 大きく削減(カンタンに言えば機械による大量製造目的)されるといったことによる品質の低下で 往年のものに比べれば、モノは良くないとのこと。(本当かどうかは確かめていません)

「だから私、下手なギブソン買うなら、グレードの高いエピフォンの方が良いと思うんです。」

そこまで言うか。

当時は「経営破たん」などする前で、ギブソンフェンダーと一流の楽器メーカーとして トップに君臨していた企業です。 今思えば、ギブソンの凋落はこのときすでに始まっていたことがわかります。

ギブソンなんかダメだ!でも・・・

と言いつつ、最後に一本ギターを手に取りアンプにつなげながら店員氏、こう言いました。

「でも、カスタムショップ製は別。とくにこのルカサーモデルは。」

ティーブ・ルカサー。

私は世代じゃないのだけれど、「TOTO」のひと。 ちなみにトイレとかは作っていない。

私にそのギターを手渡すと、とりあえず弾いてみろと。

ルカサーモデルでスマッシングパンプキンズを弾く私

テレビでフットボールアワーの後藤氏が高級なギターを弾きながら 「下手な温泉より効能がある」と言っていたことが わかるような感覚に陥ったのです。

すげぇ、ルカサーモデル、すげぇよ、ルカサー知らないけれど。

で、いくらですか?

と聞くと・・・。

「66万円」 ・・・。

ロクジュウロクマンエン!?

ちょっとまて!そんなに持っているように見えるか?このワシが!
19万も持ってないぞ、御茶ノ水!(by椎名林檎

結局は「ルカサーモデル」を売りたい店員の話術であったか。
しかし、ギブソンの凋落はここに始まっていたのである。

ギブソンのなかでも「カスタムショップ製」は職人が手掛ける最高級クラスのギター。 それしか勧められるギターがなかったのですから。

外はメイドさんがいっぱい

外ではメイドさんたちがビラを配りまくっていました。
道行く人にサッと渡す、プラス笑顔と営業トーク

大変だなぁこの娘たち、なあんて考えながら秋葉原を歩きまくって 集合時間に皆集結したわけですが・・・。

「なんでビラを一枚も持っていないんですか!」

と私以外全員がビラをいっぱい持ちながら言ってくるのです。

こんなにメイドさんがいっぱいいてビラ配りしているのに、 私にビラを渡そうとする娘は一人もいなかったのです。

だいたい、いつもそうなのです。
ティッシュ配りも私にはスルーなのです。

なぜか。

それは、普段からもらわないオーラ全開で、顔に出てしまっているからと 自己分析しています。

通勤の忙しいとき、片手にカバン、定期の出し入れでもう片方の手は 空けておきたいのにそこにつけこんでティッシュやらビラやらを 渡そうとしてくる者に対し、

「それを渡して来たら、お前○すぞ。」

と思っている私。(○はご想像におまかせします)
多分そんな顔をしているんでしょう。

しかし、そんな自己分析を後目に意外なことを伝えられます。

「日照ノさんは、デカ(刑事)っぽい」

デカっすか。
f:id:hiderino-akihito:20180924102734j:plain こんなふにゃふにゃした助兵衛な私が「デカっぽい」だなんて、 人が見る目とはいい加減なものだなぁと思います。

でも逆に考えれば、自分が自分を見る目もいい加減なんです。
周りは私の事を違う印象でとらえているのですから。

自分は自分の事を、永遠に「客観的」にはなれません。

だから時々、自分を確認する作業が必要なのです。

それはそう、ギブソンも同じ。

マトメ

楽器屋さんの評価やセールストーク
自分では気づかない「デカっぽさ」。

客観的な意見を取り入れれば、なんらかの対策ができるものです。

「お客様のニーズにあわせた・・・」

なあんてフレーズは企業のうたい文句としてあふれていますが、 本当に「ニーズ」にあわせているんでしょうか。

結局、客観的な意見を聞かずに「合理化」などを進めたギブソンは 現在の「経営破たん」を招き、自分たちを窮地に追い込んでしまってます。

人と話す、意見を聞く、スマホの画面からそれらを得るのではなく、 面と向かって直接目を見ながら耳で聞く

そこまでしないと、脳みそは反応しないんですよ、人間って奴は。

従って、客観的に「デカっぽさ」を自覚した私は、 今日もデカ全開で、ティッシュ配りをスルーして スルーされながら街を歩くのです。