bar 「時の扉」。
日頃の喧噪を忘れ、
ひとりで飲むには居心地の良い場所。
いつものようにひとりで飲んでいると、
やけににぎやかな男ふたりが。
酔った勢いもあり話かけてみた。
ちなみに、男達は名乗らなかった為、
仮に「(HAGE)」と「Aスカ」としておく。
-こんばんは。
Aスカ:こんばんは。まぁ、とりあえずコレ飲もう。
-いきなり何を勧めてくるんですか?
Aスカ:カクテルだよ「SAY YES」っていう。強いんだコレが。
-強いの苦手なんですよ。
Aスカ:勧められたら「no no darlin'」とは言えないカクテルなんだよ。
-それ言われちゃったら・・・怖いなぁ。
(HAGE):「僕は死にましぇん!」って言えば大丈夫だよ。
-いやいやいや!
意味ないですってそれ。
おふたりで呑んだらいいじゃないですか。
(HAGE)&Aスカ:YAH YAH YAH!
-ずるいですねぇ。
Aスカ:殴りに行こうか。
-誰をですか。
(HAGE):俺はもう殴られたよ。
-だめですよ、暴力は。
(HAGE):それよりさ、帽子買ってくんないかな?
-帽子ですか?
Aスカ:こいつ帽子屋なんだよ。
-へぇ、どんな帽子を売ってるんですか?
(HAGE):今日は割と売れてサイズもあんまりないけど・・・
-何が残ってるんですか?
(HAGE):えーっと、MとLの野球帽くらいかな。
-少なっ!
Aスカ:おい、Nサイズは無いのかよ。
(HAGE):Nサイズは無い、MとLだけ。
-Sサイズなんですよ私。
(HAGE):じゃあ、残念だね。そろそろ帰りますか。
-もう「おねむ」ですか?
Aスカ:今日は疲れたんだろう、帽子売れたし。
-顔が疲れてますもんね。
(HAGE):今日は・・・こんなに元気です。
Aスカ:下ネタかよ。
(HAGE):でさ~、帽子と言えば面白い話があるんだよ。
Aスカ:なぜに君は帰らない。
(HAGE):帰ろう、帰ろう、On Your Mark!
Aスカ:なにひとりで立ってるんだよ。
(HAGE):俺が突っ立ってる。
Aスカ:殴りに行こうか。
-(なんか危ないひとたちに見えてきた。)
-あ!ちょっと!・・・でも危ないから呼び止めないでおこう・・・。
半ばあきらめ気味にふたりを見送った。
そして、またもや伝票が宙ぶらりんのままであった。
-話しかける前に時間、戻せないかな。
上杉:戻らない瞬間(とき)だけが、なぜ輝いては・・・。
ちなみに店のマスターの 名前は「上杉」である。
-殴りに行こうか。
上杉:暴力はダメですよ。
-いいんですよ帰るから、僕はもうひとりで。
上杉:投げ捨てられた空き缶のようですね。
-かけがえのないお金を失う。
上杉:私のセリフ使うのやめてください。
過去のbar、悪意は一切ございません。