ブラック企業に勤めるならYouTuberかSNSでマネタイズして 楽して稼げばいいのに、馬鹿だなぁ。
という人が最近私の放置されたままのツイッター界隈で増えてきている。
マネタイズしてますか?
日照ノ秋人です。
じゃあ、皆でYouTuberになってみよう。
皆でその人たちが言う「楽」をしてみよう。
誰が食べ物を、衣類を、治療を、上下水道を、 電力を、ゴミ処理を、交通を、電波を、その他諸々をやってくれるのだろうか。
YouTuberがどれだけ日本経済を回しているかは不明だが、 どれほど社会貢献しているか、そこに焦点はいかないのか。
仕事とは「社会のお役に立つ事」だったはずなのに、 いつしか「自分だけが儲かれば良い」と変わってしまった。
PVや「いいね」をくれるひと、くれそうなひとには文字で薄く感謝をし、 社会で苦労して働いているひとには「そんなこと辞めてこっち来い」という。 人々に対する感謝の方向、感謝の温度、感謝の大きさが違うのだ。
やりたいことを出来る環境というのは、 自分がやりたいことをやっているときに働いている人がいるからだ。 ひとは必ず、自分以外のひとの上に立ち、もたれかかっているものだ。
私がブラック企業に勤めているからこその心理かもしれないが 「ブラック」とはいえ、私の仕事が結果的に日本経済のどこかをくるくる回しているのは事実だ。
私が所属している企業だけでなく、私の友人、同業他社、関連企業と、 多くの社会人がどこかで活躍し、どこかで貢献していることは働いていればよくわかること。
だからこそ感謝をし、社会で働いているひとが儲かるように消費を考えて行動することを私は社会に出て身に着けたし、 常々意識するように心がけている。
日本経済を語るのは門外漢の私では無理なのだが、 「半沢直樹」でも言っていた「このネジ一本でも経済を回している」 というのは間違いじゃないし、大げさでもない。
いろいろ辿っていくと、そのネジがなければ今の人類は成り立たない。
ネジだけじゃない。
目に見えないような部品や実際に目に見えないものだって、
製作にかかわるひとがいなければ
「好きなことして生きていく」ことはできやしない。
私は「ブラック企業」が無くなれば良い社会環境になるとは考えていない。 むしろ、世の中の「ホワイト」と言ってしまう企業が 「ちゃんと仕事すれば」ブラック企業の6割くらいは無くなると思っている。
世の中それ程働かなくなってきているし、
その働かない分、
楽をしている分、
どこかで誰かが働いている。
それが皆「や~めた」となったらどうなるか。
わかる人にはわかる、その末路が。 だから文字だけの薄軽冷たい感謝なんかではどうしてもいけない。 いろんなひとに感謝をしなければならなくなる。
社会で働いているひとを尊敬しろと言うわけじゃない。 尊敬と感謝は違う。
「つながりつながり」言うけども、同業他者が肩を組んで横一線になったら、 ひとりひとりの儲けは薄くないのだろうか。 国内の消費が滞れば、ネット広告だって減る。
生きていけるだけを稼げば良い、だなんて思ってばかりだと、 自分の立っている地場が崩れていくことに気づかないものだ。
せっかくのYouTuberなんだから、ブロガー、ライターなんだから、 日本国内の「いいもの」をどんどん販売促進してくれないだろうか。
海外ブランド品を購入するよりも日本経済的にも、 自分がおいしくなる要素はあるばずだ。
消費を円滑に、さらに豊かにさせることは「社会に貢献している」と思う。
高価な海外ブランド品をバァ~ンと購入し、YouTubeでアップするのは、 ただの「びらかし」に過ぎず、購買意欲向上にひとやく買っているとは言いがたい。
一流のYouTuberに、ブロガー、ライターになっているのだから、 自ら地場を破壊するのでなく、世の人の地場を固めた方が多くの貢献と、うしろめたくない儲けを甘受できるはずである。
おわりに
最近は「尊敬」すら方向が変わってきたように思う。
本当に感謝、尊敬されるべきひとは、 今のところ「オレ」に「私」に「ボクちゃん」に 「影響」という火をつけてくれる存在に対してのみ向けられており、 自分たちが生きる上で本当に必要となるものに従事する人々には、 目も向けていないのである。
そしてそれが、口先だけでなんとかなってしまう、 なんとかしてしまう世界で「有益」とされ、価値を生み、 社会にとってそんなに影響のないことに心血を注いでいるひとをトレースし、 「自分でも出来そうだ」という軽い世界に収まろうとする。
医療の知識、技術を身につけているひとは医療の道を。
土木の知識、技術を身につけているひとは土木の道を。
そんな彼らがいなければ自分は成り立たないし、生きていけない。
だから尊敬するし感謝する。
本当に社会に根を下ろして踏ん張っているひとほど地味なのだ。
それは、ひけらかすことが出来ないほど忙しく、
使命を持って社会に貢献しているからだ。
と、私は思いたい。