ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

ごめんよ竹岡式

千葉県に住んでいたことがある。

それまでは千葉といったら、千葉マリン、市原臨海競技場幕張メッセであり、それはそれは美味なる落花生の産地という 「大衆が抱くありがちなイメージ」でしかなかったわけだが、 意外にも激戦区といえるものがあった。

それは「ラメーン」。

・・・もとい「ラーメン」だ。


チーバくんの胸元から頭のあたりで車をブーンとすれば、 右にも左にもラーメン店が潰しあいでもしているんじゃないかという間隔で存在する地区がある。

これはラーメンを喰らへ
という暗示と理解した私は、車を走らせてどのラーメン店に入ろうか、 まるでどろぼうに入るかの如く物色しはじめた。

もちろん、迷う。
道でなく、店に。

そのくらいラーメン店の数がある。
「石を投げたらラーメン屋」
と言いたくなるほどだ。

その辺を歩いている人に唐突に「ラーメン屋?」って聞いたら、 「おうっ!ラーメン屋!」って言ってくれるような気がするほどだ。

私が冗談ばかり言ってるから冗談と思うかもしれないが、 意外と誇張していないのよ、コレが。

おのれの生誕の地ではない「千葉」というところにせっかくいるのだから、 チェーン展開している店にわざわざ入るのもどうかと思った私は、 とにかく「渋い」店に入ろうと思った。

「渋い」は誇張した、
厳密には「古い」店だ。

店の古さはひょっとしたら「歴史」なのではないか。 ただラーメンを食べるだけなのに、歴史とか言っちゃって物々しさを醸し出すなんて、 ホリエモンか西野某がやればそれだけでムーヴメントになるのだろうが、 このブログこと私だ。
すまん、千葉すまん。


見るからに「アレ」な店に決めた。

店内は昼を若干過ぎたころの割には客が大勢いて、 私の期待は膨らんだ。

そしてメニューに見つけた
「ワンタンメン」の文字。

はて、己の人生で「ワンタンメン」を店で食べたことがあったろうか。
自問の末「無いから喰らへ」の議決により注文。

ワンタンメンって不思議。
「ワンタン、メン」なのか、「ワン、タンメン」なのか、 どちらが採用されるか客ではわからない。 もちろん「ワンタンの入ったラーメン」なのだろうが、 オヤヂギャグにかぶれた店主だったら「タンメン」を差し出してくる可能性も否定できない。

孤独のグルメはいけない。
こんなくだらねぇ雑念におびえてしまうからだ。
まぁ、それが楽しいのだけれど。

ワンタンメン到着。

醤油。
醤油文化の土地だから、それでいい。

スープ、チャーシュー、ワンタン、メンマ・・・あれ。

味が全部同じ。
なんだこれ、
これが正解なのだろうか。
その後、それが正解なのかわからないものをいただいて、 ふと調べたくなった。

この店、私が思う以上に特殊で異端なのではないかと。

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そしてグーグル先生が導き出した答えは、

竹岡式ラーメン

は?

千葉県富津市竹岡発祥のラーメン。
チャーシューの煮汁に麺のゆで汁をあわせた黒いスープが特徴。
くわしくは全国のラーメン野郎に聞いてほしい。

富津市。
ちなみに「ふっつ」と読む。
富津さん、うっす。

チャーシューの煮汁がベースだから全部味が同じ感じ。 正解かはわからないが昔の簡単なラーメン。

いろんなものぶち込んでコトコト手間かけて作った意図的なものでなく、 ひたすら「漁師飯」な武骨な感じがする。

なんだろう、この感じ。
県外からやってきた「スガキヤの国」の住人約一名は、 なんともいえないハードルの高さにとりあえずひるんでしまったよ。

正直、私には難しすぎたラーメンであった。

ごめんよ、竹岡式。 カップラーメンもあったけれど、買う勇気はなかったよ。

西の出汁文化、東の醤油文化。
そばをつゆにつける「範囲」の違う文化だもの、 違って当然か。
※西ではそばつゆに全部投入するとおいしくなる。 逆に東ではチョイ付けしないと醤油辛くておいしくない。 どうやってめんつゆにつけるかが問題ではない。 めんつゆを見極められるおとなになろう。

愛知の特殊な食文化に皆、とりあえずひるむのだろうなと千葉に行って気づいた私は 「しょうゆソフトクリーム」が食べたいなぁとダブついたおなかの肉をつまみながら、 遠い目で思ったのです。

written by 日照ノ秋人 他にもおいしいラーメン店多数ありました。