ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

野菜嫌いの我が子に平塚のトマトを食わせてやりたい

仕事の都合で割と全国あちこちに出没している私は、 その土地の風土に触れ、名物を食べ、風俗は横目にするなどして、 私なりに楽しんでいた。

5年ほど前は主に神奈川界隈によく出没していたのだが、 未だに忘れられない食べ物がある。 それは、平塚のトマト

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車で夜移動。
湘南の風を切りながら夜ごと到着の平塚駅

駅の「ガヤガヤしていない方」で「メシ食って寝るだけ」の状態。 遅い夕飯をとるべく散策するのだが、いつものごとく 「平塚なのに北海道の豚丼の店に行くのも芸が無いし、ちょっと重い。

仕方が無いので、
ホテル近くの焼き鳥屋へ。

テキトーに食べて、ビールを少しひっかけて寝ようと企んでいたはずなのに、 「口の中さっぱりしたひ」とパートナーが注文したトマトのサラダが妙においしくて、 追加の「おかわり」までしてしまった。

それがいまでも「あのトマト、忘れられん」と愛知県のトマト好き約一名が、 平塚のほうを遠い目で見ながら回顧するのだ。

いったいあのトマト、何者なんだろうか。 全く酸味が無く、ひたすら甘かった。 雑味も薄味も無く、濃い。 あんなトマト、はじめてだった。 お店のひとに聞けばよかった。

その後、あの店に行こうと試みたのだが、 追浜、磯子、厚木と平塚を避けるような仕事の展開で、 未だに平塚には行けずじまいである。


野菜が入っている食べ物を避けている我が子。 「好き嫌い、ダメ~」の親あるあるを炸裂させても、 ダメなもんはダメ。

親のこちらも内心「野菜おいしくないもんね~」と思いながら 「食べなさい」というのは酷というもの。 やっぱりおいしくないイメージを描かれてしまったあとでは、 「食べなさひ」の願いも教育も歯が立たないのだ。

自分の事を思い出すと、自分もそうではなかったか。 ピーマンは苦いし、ナスはなんだか色がアレだし、 セロリは四の五のぬかす前にまずかったし、 やっぱり野菜は苦手だった。

それでもなんだかんだで、おとなになってから食べられるようになるのだから、 あの頃はなんだったのかわからなくなってしまう。 こどもは味覚が鋭いから、おいしくない野菜の記憶が定着するのだろうか。

それを打破するためにはメチャクチャおいしい野菜を食べて、 「おいしい記憶」を定着させることを考えた。 もちろん、ファーストコンタクトでおいしい記憶を与えられていたら、 それですべて解決なのだろうが。

ニンジン嫌いの私が食べられるようになったのは、 ハンバーグ屋でグラッセ(砂糖煮)を食べたからだった。 本当においしいものに出会ったら不思議と好きになる。 特に人間というやっかいな生き物は「あいつイヤな奴だな~」 と初対面で思っていても、その後「案外いい奴じゃないか」と 一瞬でも思ったら、大好きになってしまう妙な性質をもっている。

我が子が平塚のトマトを食べたらトマトが好きになるんじゃないかとあくまで私目線で都合よく考えている。 それほどに今の野菜はおいしくないし、平塚のトマトはおいしかった。

「良いものに出会う、出会わせる」のは教育だと思った。 私が知る「平塚のトマト」を教えるのも、教育の中での選択肢のひとつになりうるのだ。

ただ単に「おいしければいいのか」とも思うが、「おいしければいい」のだ。 だっておいしい方がいいに決まっているからさ。

私がセロリを食べられるようになったのは、 「育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めない」 と理屈をこねくりまわさないようにしたからではなく、 愛しき我が奥方の料理によってである。 逆に見れば今まで生きてきて「良いものには出会わなかった」ということだ。

こどもにとっては料理のしかたでなんとかなるといった 「わたしのセロリ」のような克服は出来ないと思う。 おとなと味の感覚が違いすぎるからだ。 素材がダメなら徹底的にダメ。 こどもってこういうところにもお金がかかるのね。


全国にはおいしい素材がいっぱいある。 平塚のトマトもそのひとつだし、トマトも探せばあちこちに 「名うてのトマト」があるに違いない。

近年は「無農薬」とか言わず、「オーガニック」だのわかるようなわからないような 言葉を使うようになってきたが、本当に良いものはそんな言葉のまやかしは無い。 甘いトマトには「あまいトマト」と書いてある、なんて潔さだろうか。

それくらいもっとわかりやすくていい。

言葉をアレコレ述べてないでわかりやすく・・・。

あ。

このブログはわかりやすくないですね。
最後に自爆。

スパイ指令テープが最後に爆発するように、 80年代のオチのつけかたで終わるのは平塚市民に申し訳ないので、 その焼き鳥屋を紹介して終わろう。

hiratsukatoritomo.gorp.jp

※お店の方、当ブログに影響力はありません、
ごめんなさい。

written by 日照ノ秋人 あのトマト、まだ忘れられない。

こちらもいかが。

hiderino-akihito.hatenablog.com