トーキョーは怖いところです。
誰かさんが「華の都、大東京」と歌ったかは知りませんが、 鼻毛が伸びてしまう空気の悪さは都会ならでは。
そんな中「ランチでも」と東京出張途中に思った
我々サラリーメンご一行は数ある飲食店を巡り、
「安くても1480円」
という現実を知らされるとひるんでしまうのだ、おじさんだから。
富士そば
さすがにそんな高額のランチをなんの変哲もないシャレオツな店で頂くのもシャクだ。
我々ビンボーサラリーメンは、家でインスタントラメーンでも食べて日々をしのいでいる奥様の顔を思い浮かべると、
自分だけが贅沢をしているようで気が引ける。
トーキョーシティーはラメーンも高いので余計に気が引ける。
さて、見渡すと「富士そば」。
満場一致。
のれんをくぐると券売機。
オラ、なんだか情けなくなってきたゾ。
コロッケそば
高級ランチの店が並ぶ街になぜかとけこんでいる「富士そば」。 そしてプライスは他店の約サンブンノイチ。 他店がまるで「ボッタクリ」なんじゃないかと思ってしまう価格設定。
そんな数字が並んだ券売機をながめると、 なんと一番目に付くところに「コロッケそば」とあった。
ああ、コロッケとそばなんだろうな。
子供心をくすぐる組み合わせだと思って写真を見たら、
温かいそばの丼のなかにコロッケがしかと投入されている。
ああ、そういうことですか・・・
え、どういうことですか!?
子供心を失わない我々サラリーメンは、今はもうオトナなのだと確認しコロッケそばを華麗に回避。
マンガ「美味しんぼ」にて、 労働者に素早くおいしいそばを供給するシステムこそが「究極のメニュー」と 山岡さんに言われたことなど思い出す暇もなく、 猛スピードで供給される富士そばのそば。
感想は?
うまかった。
月並みか・・・月並みおじさんだな。
なんでもいいんじゃねぇか
コロッケとそば。
昔は私のイメージ通りだった商品だったらしいが、
客がそばの丼に投入していたから生まれた商品のようで、
今ではすでに「オン・ザ・そば」の状態である。
※そばだけに寄り添っていてほしかったが乗っている。
コレ、なんでもいいんじゃねぇかと思うのですよ。
駄菓子屋で売っているなんだか罪悪感のある「ビッグカツ」でもいいし、 おとなもこどもも、おねーさんも大好きな「から揚げ」でもいい。
やっぱりあの価格設定を実現できるものが、 「コロッケ」だったのだろう。
アーケードの下で長い間商売している肉屋の 「2~30円で買えるコロッケ」は、 子供でも手に入れられる価格設定だからこそ、 おとなもこどもも、おねーさんからも猛烈な支持がある。
「富士そば」がそこまで考えているかはわからないが、 怖い東京のランチ戦争でも異彩を放ち、 且つ経営が成り立っているのは、短期間で店が入れ替わる飲食業界で 「極限まで安い」を実践できているからだろう。
おじさんが妻には後ろめたくないランチを甘受できる場所「富士そば」。
立ち蕎麦かと思っていたら椅子があったということだけ、 有益感を残して去ります。
written by 日照ノ秋人 座って食べました。
コロッケと蕎麦を同時に食べられるなら