ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

宝石詐欺で5時間軟禁された話

私、失敗しないので。

そんなことを言う女優に我が奥方が言った。

失敗するヤツはみんなそう思ってる。

なるほど。

自信があるということは油断を生む。
油断すれば失敗につながる。

往々にして人間みたいなモンは、 油断することによって大事を招いている。

若かりし頃のワタシをふと思い出す。

自信を持っていたために、私は5時間も軟禁されることになったのだな。

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宝石詐欺

今から20年ほど前、不景気の真っただ中。 マルチ商法やら詐欺が横行していました。

土日になればいたるところから電話がかかってきて、 やれ商品券が当たっただの、会員権がもらえるだの、 絶対に儲かるだの、月収7桁だの聞かされましたね。

そして男限定の宝石詐欺とは、 来るべき婚約の時に宝石の知識が無いのでは女性に対しカッコ悪いから、知識を教えるので来ませんか? という文句で若い女性から電話がかかってくる。

もちろん行ってしまったら軟禁され、 ダイヤモンドなどを買わされる仕組みなのです。

行かなきゃいいだけなのでテキトーに受け流せばよいものを、 根拠のない自信に満ち溢れていた若い頃の私は、 挑戦的に言ってしまったのだ。

そんなに教えたかったら
こっちに来てくれればいいじゃん。

と。

来ちゃった

そう言えば、大体の詐欺師は
来てくれなきゃイヤよ
と言って終わってくれるのですが、 たまたまその時の詐欺師は「行きますよォ~」と返してきた。

まぁ来ないだろうと思っていたので、 テキトーにアポの話をしてやりすごそうと決め込んだワケですが本当に来たのです。

「今、近くまできてます」
とか言われたので私、腹をくくって会いに行きました。

メチャクチャ美人でミニスカート。
時々パンツが見える状態で、 「どこかファミレスみたいなところ、行きますか?」と言われ、 さすがにこんなパンツ見せるヤツといるところをご近所に見られたくなかった私は、 さらに腹をくくって詐欺師の巣窟へ行くことに決めたのです。

名古屋駅付近のオフィスビルに巣があった

私の車で付近のコインパーキングに停め、 パンチラ美女と歩きました。

絵面はハッキリ言ってバカ男ですよ。
さすがの私でも恥ずかしいのですが、彼女らも必死。

パーキングのお金は後で払いますよォ

という嘘くさい言葉を聞きながら、詐欺師の巣窟に到着。

居並ぶスタッフは皆女性でミニスカート。 私をエスコートした美人以外は、なんていうかおばさま。 そして動けばパンツが見える仕様。

やめてよ。

男は単純だけど、
そこまでじゃない。

なぜかユーロビートが爆音で鳴らされており、 個室に案内されコーヒーをもらった。 そのコーヒーを何杯も飲むことになるとはその時、知るよしも無かった。

詐欺師のアピール

当社は宝石を取り扱っています。

女優さんを広告塔にし、テレビCMを行っているほどですから安心です。

宝石を直接買い付けてくるので安く紹介できます。

無理やり買わせることはしません、
今回は知識だけを勉強します。

そんな説明で安心させようとしてきます。

そして電話でも言っていた通り、宝石の知識、 特に婚約指輪についての説明がありました。

彼女らは詐欺師ですが手順はあくまでやんわりと、 強引なことはせずに「約束通り」で進みます。

だから油断してしまう。

しかも美人でパンツも見えている。

なんだ、売りつけてこないじゃないか。 って思ったら相手の思うツボ。 時間が経つにつれ商談にスライドしていきます。

ひたすら受け流す

昨日はとび職とプログラマーと薬剤師が契約しましたよ。 と契約書みたいなものを見せられ、 ほらほら、あなたも出遅れてるよ感を醸し出します。

私はとにかく話を受け流し続けました。

そうそう、塩田剛三先生ばりに。

www.youtube.com

それもパンチラを見ながらなので、 ある意味私は塩田剛三先生の一枚上を行ったと言っていいでしょう、えっへん。

コーヒーと美人とおばさまが入れ代わり立ち代わり、 あの手この手で話を詰めてきます。

それがだんだん腹立ってきましてね、 そもそも買う気なんて無いから余計にイライラするのですが、 ひょっとしたらそれも彼女らの思うツボなのかもしれないと考え、 帰りたいオーラを出しつつ、パンチラ見つつ、腕時計もチラチラしました。

それを5時間。
勉強になったことはひとつもありませんでした。

突然帰らされる

詐欺師も根負けしたのか、コイツ買わねーと判断したのか、 突然帰ってくれと言い出しました。

渡りに船。

コインパーキングの請求など切り出すわけもなく、 そそくさと帰ることにしました。

怖いおにいさんが出てこなくてよかったと、 胸をなで下ろしましたよ。

その事務所の入り口に大きなポスターが貼ってあり、 私は敬礼して去ることにしました。

なるほど、テレビで見たことあるぞこの顏。

私、失敗しないので。

女優の顔がデカデカと、
ポスターの中で笑っていた。

written by 日照ノ秋人 ダイヤの価格は13万円でした


前回のアレ

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