ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

創作物創作者の苦悩

今から20年程前に私はホームページを開設(開設ってのが古めかしい)してました。 当時はADSLがどーだか、FTPがどーだか言って、 よくもまぁあんなに面倒な事やってたなと思うのです。

主に当時バンド活動していた私の宣伝用HPだったわけですが、 オマケとして「管理人の日記」みたいなものも書いてました。 それがバンドより人気になってしまい、その後に訪れた テキストサイト人気に上手く乗っかったのですが、 ライブを見に来てくれた方に 「ライブより日記の方がおもしろいですね!」 っと屈託なく言われ、私はしゅんとしたのを覚えています。

フロントページってソフトでHPを創り、 ホームページビルダーの登場でとりあえず驚いた私は、 阿部寛のサイトを見てモーレツにあの頃を思い出してしまったのです。

abehiroshi.la.coocan.jp

コレコレ、こんな感じ。
ホームページビルダー臭がしますね。

そんな事はどうでもよくて(パクリ)

子育てもずいぶん楽になり久々に今、 音に触れ、楽器に触れ、音楽でも作ろうかとボカロなんかも始めちゃっているのです。(今頃ですが)

単純に私がブログなどで小説や絵や音楽などの創作物をクリエイトする方々から影響を受けた訳ですが、 創作物の創作者はどんな心境なのか、だったのかを自分も絡めて考えようと勝手に思ったのです。

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構想の時点ではノリノリ

頭の中に浮かんだものって、 とてもすばらしい物が浮かんだっ!って一旦は小躍りするのです。 自分の好きな自分の表現で脳内に描かれますからね。 次はこーなって、ここで停滞させて、ここは劇的にっ! なあんて構想練ると無敵になった気がします。

ああ、これは素晴らしいものができそうだ。

もうノリノリ。

後になって、そんなノリ感は消え失せるのですが、 この時点では大概それには気づきません。

形にする前に躊躇する

さっきまで素晴らしいものがァ!って思ってたくせに、 いざ形にしようとすると全然ダメ。

何から着手すれば良いか、どんな始まり方が良いのか、 頭の中にある構想の一歩目の表現で急に躊躇するのです。 自信を持ってお送りすれば良いのに、 「一歩目」の表現の仕方がわからないのです。

でも、頭の中には次から次へと構想や設定が浮かぶ。 そのジレンマで着手前になぜかヘコむのですよね。 ああ、自分はダメなんだぁって思います。 そこで腐ったら形にならないので、けっこうやけっぱちに創ったりします。 音楽のイントロなんかありがちですが、いきなり唄から入る曲なんかは、 ああ、表現できなかったんだな。 って勝手に思ってたりします。

進み始めたらまたノリノリ

最初の一歩が踏み出せれば、 今までが嘘だったようにガンガンいけますよね。 ガンガン行けるから、よォし!イケるぞォ!って勘違いして、 その場でパッと浮かんだものまで描いてしまう。

妙な自信を持ってやってしまうのです。 それが後になって自分を悩ませることにも気付かないで。 だいたいこの時に8割くらいは無我夢中で完成してしまい、 素敵すぎて無敵状態になるのです。

完成が見えてくると

当初描いたものと出来上がった今を比べてしまうと、 あれれ、ずいぶんと違ったりするものです。 するとこんなもの作ろうとしてたっけ? なあんてことに気づいたりします。

想い描いたものを形にするのって、本当に難しいんだなって思います。 そしてその壁にブチ当たると気づくのです。

全く別物になってしまったので削除してしまいたい・・・。

そんなことに。

で、困る。

困るんですよね。

ほぼ出来上がってるし削除してしまいたいけど、 このフレーズ気に入ったとか、このドラムトラックうまく打ち込めたなとか、 思ったより良かった部分が愛おしくなって消せない。

このまま最後まで創り上げるのか、それとも完全な破壊か。 究極の2択なのは、イチから創り直したくないからなのでしょう。

こうやって右往左往しながら創っていくものには、 葛藤やら苦悩やらがふんだんに盛り込まれていますよね。 明るいものをっ!って思ってても苦悩を経験すれば、 暗いものになってしまう。 それが創作者の持つキャラクターや、センスってものなのでしょう。

センスって言葉、嫌いなのですよ。
なんだかよくわからないくせに便利に使われるじゃないですか? …みたいにひとり葛藤して開き直るのです。 だってこれが自分だし。って。

開き直ったらさらに開き直って どーせだれも見ないし聴かないのだから、 正直納得いかないけれどもリリースしちゃえって思う方がずっと楽。 案外その方が仕上がりが良かったりして、また悩むのですがね。 こんなの狙ってないのにって。

クヨクヨするなよ、自分。

その人にしか出せない「色」があるのだとしたら、 「色」なんてものは人の数ほどあると思うのです。 途中で織り込まれた葛藤やら苦悩は、 見る人聴く人からすればとても魅力的に映るものなんですよ。

同じ作者の作品を追い続け、無意識に織り込まれたものがいつものテイストだということに気づくと、 「その人らしさ」みたいなものに感じられてなんだかうれしい。 うれしいのだけれど深くまでは知らない都合の良い対象として、 作者とはビミョーで絶妙な距離を保てるのです。

そんな間柄だっていいじゃないか。

創作物は心をつなぐ。
だれが始めてもだれが作っても、
きっと良いものに違いない。

って、自分に向けて書いてます。

written by 日照ノ秋人 素人と玄人の境目はもはや無い