ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

いのちだいじに

男Aと女Aの計らいにより、 男と女、4人ずつが集結していた。

そう、これは合コンである。

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イケメンの男Aは顔が広く、 美女である女Aをなんとかたらしこんでセッティングしたとのこと。 男B、男C、そして私の3人は、ヒョーロク玉のごとくその場に参上した。

我々、男のパーティーは事前に話し合った。

・ぬけがけする
・せきがえする
・かってにきたくする

以上の呪文を封じることにした。 作戦は「じゅもんつかうな」である。

私は女Aが好みであったが、往々にして合コンとは、 狙いを定めたふたり程横の異性と仲が良くなることが多い。 従って今回の狙いは女C、あるいは女Dである。


 
淡々と話はすすみ打ち解けた頃、 男Aが強力な呪文である「下ネタ」の呪文を唱え始めた。 イケメンだから許される呪文ではあるが、イケメンゆえ効果てきめん。 それキッカケで我々の作戦は「ガンガンいこうぜ」に変更された。

男Bが面白いことを言っている。 私はクールを装いつつ時に鋭くツッコミをいれるなど、 だいたいのキャラクター分けが出来てきた。

しかし男Cが追随しない。

しかめっツラして私の狙いである女Cの対面で、 黙って呑みはじめたのだ。

ここは一旦パーティーを離れ、 私は男Cをトイレに誘った。 なんでも、男Cは女Bのことが なんだか癪(シャク)に障る とのことで、不機嫌になっているらしかった。 女Bに対して、それは私もわかる気がするなぁと男Bをなだめていると、 男Aも心配になってやってきた。

・とりあえず男Cを女Bから遠ざけるべく席替えをする

・男Aと私で女Bを封ずる

なんとか「4人」は保持したい。 男Aのメンツにかけて、作戦は「みんながんばれ」に変更された。


 

席に戻ると、ひとり残された男Bがかなりダメージを喰らっていた。

男Cが嫌う女Bの酔いが最高潮に達し、 残された男Bが集中攻撃を喰らうハメになったということだ。 女CとDは女Bにドン引きし、女Aは女Bを必死に抑えるという妙な構図になっていた。

みんながんばれ」を発動。

なんだか合コンの趣旨からは外れているような気がするが、 なんとか場を収めたい男Aと女Aの思惑により、 こうなったら女Bをねむらせてしまおうということになった。

「大丈夫、もうちょっとすればこの子寝るから。」

女Aの情報を信じ、「みんながんばれ」は続いた。 すると女Bは眠るどころか、第二形態に変貌した。

あまりのショックに男Aは痺れてマヒし、 男Bは疲れてねむってしまい、 男Cは混乱に陥り私を攻撃し始めた。

まともに戦えるのは私だけになった。

いや、戦えない。

作戦は私の独断で「いのちだいじに」へ変更された。 身の危険を察知した場合、人間がとる行動とはディフェンスであると言われている。

私は必死に耐えた。
しかし、限界を迎えた。

女Bに「脱げっ!」と言われ、カッとなった私は 「俺も脱ぐからお前も脱げっ!」 と言い放った所で、全員が私を見て言った。

「それはダメ!」

言われてしゅんとする私はその時、 女達の背後でそっと脱ぎ始める女Bを見逃さなかった。


 

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※ゲリラブ隊に志願しました。

written by 日照ノ秋人 苦手な人と変なところで気が合ってしまう不思議