ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

子宮全摘出(開腹手術)の記録 手術当日編

当ブログに「奥方」として登場している私の奥様(アラフォー)より、なぜか「是非書け」と指令を受けて書いている私、日照ノ秋人です。

今回は「子宮筋腫摘出および子宮全摘出手術(開腹手術)」に臨んだ奥様と、立ち会う家族側の記録(手術当日編)です。これから同じような手術にのぞむ方や、そのご家族様に少しでも役に立てたら幸いであります。

長くなりそうなのでいくつかに分けていきますが、今後は「子宮全摘出によるメリット編」、「手術前と持ち物準備編」など追加していきますので、そちらもよろしくお願いします。

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ちなみに、より詳しく書きたいので長いです。長いのでお気軽に「まとめ」ませんのでご了承を。

前置きも、長っ!

手術決定までの主な症状など

2021年の年始早々に不正出血があり救急へ。精密検査の結果、子宮筋腫(8センチ)が発覚。近所の新しい病院の婦人科でピルによって偽妊娠状態にし、レディースデイを止めて筋腫を大きくさせない治療を開始。

その後も不正出血がおこりレディースデイは止まらず。不審に思った奥方が違う病院の診察を受け、治療の方針が間違っていたことが発覚。
※治療方針自体はおかしなものではなかったが、 筋腫のサイズと位置によって他の臓器に影響が出てしまう可能性があり、早急に手術が必要な状況だった。

ピルを辞め、手術まで偽閉経状態にしてレディースデイを止める「レルミナ」という薬の服用で手術までの1か月間、ホルモンバランスがめちゃくちゃになりながら2021年10月に開腹手術、10日後退院。
※ピルの服用後2週間は手術出来ないとの事での処置でした。

筋腫自体はそれほど大きなものではなかったようですが(8センチはデカイよ)、出来た位置が悪かったことと、MRI検査により小さめの筋腫がもう一つ発見されたことと、開腹手術の可能性を提案されたため奥方は筋腫だけを除去する手術をせず、思いきって子宮ごと全摘出を選択しました。

ロボットアーム(ダヴィンチ)や腹腔鏡による手術が一般的ですが、筋腫の位置の悪さと他の臓器の関係で開腹手術となりました。

手術

全身麻酔での手術です。 痛みを抑えるための「硬膜外麻酔(こうまくがいますい)」という腰あたりからカテーテル(ふにゃふにゃの管)を刺し込む処置から始まります。局所麻酔→カテーテル挿入の過程で痛みはほぼ無いとのこと。硬膜外麻酔による異常が無ければ手術が開始となります。

「嘔吐」に関してトラウマがあったようで、麻酔の先生に事前に相談し、気持ち悪くなる麻酔は回避するようにしていただきました。その辺りは手術前の事前説明時に相談しておくといいでしょう。

救急車で担ぎ込まれたらそんなヒマはなく、心の準備も無いまま問答無用で即手術ですから、伝えたい事を伝えられるのはある意味特典であります。

手術は難しいものらしく、早くて6時間程の手術となることを事前に聞いており、私は会社を、子供は学校を休み、1日がかりで登山に行くような装備で病院に行きました。

なぜ「登山に行くような装備」なのかというと、手術立ち合いの家族が待機する場所は我々の場合「婦人科のラウンジ」での待機ということで事前に場所の確認をしていたのですが、私自身が入院した「循環器科」と「消化器科」のラウンジに比べ、「婦人科」のラウンジが室温低めに設定されていたからなのです。※もちろん病院によります。

部屋に入ったときの「涼しい」は1時間も滞在すれば「寒い」となるので、10月初旬の残暑でも冬の用意をしたのであります。(それでも寒かった)

結局4時間程で手術終了。その後、執刀医の説明と摘出した腫瘍、子宮、卵管の実物などを見せられて、麻酔が半分切れた奥方と少し話をして終了となりました。家族としては、患者に大事がなければ医師の説明を聞く事が当日のメインイベントになります。

開腹など、体にメスを入れる場合はどのような手術を行ったか、どんなものを入れ、どんなものを出したかなどを映像を使って事細かに説明があると聞いておりましたが、私の場合は映像は無くホルマリン漬けの摘出部位などを見せられ、出血はいくつだったか、滞りなく手術は進んだかなどの話を聞き、こちらの質問のやりとりをした程度でサッパリと終了しました。

摘出したものを「写真を撮っていかれますか?」と聞かれたので、私は思わず「えっ…」だの「うっ…」だの言って2枚だけ撮りましたが、かなりの枚数を撮っていくご家族もいるようです。摘出された本人はこの写真しか見られないので、写真は撮った方が良いでしょう。支払いなどは退院時なのでその後は帰ることができますが、結局なんやかんやで病院を出たのは5時間半後でした。

術後

開腹手術のため、ほぼ「怪我人」です。
手術中に出血もしているため、体にはあまり力が入らない状態です。ドクターの判断が下るまで、腰には硬膜外麻酔のカテーテルが刺さったまま、麻酔も継続です。ただし歩行訓練はわりと早めに始めるようで、手術翌日からやれるひとはやるようです。

シャワーなども3日おき程度に入れたらしく(看護士の補助付き)、私が「必須」と言ったボディペーパーもさほど出番が無かったようです。カテーテルは医師の判断で数日後に取れます。背中に刺さっていますが、仰向けに寝ても何も違和感が無いとのこと。

我が奥方の場合、退院日にまともに歩けず、支払いやら退院手続きやらは車いすに乗り私が押す形となりました。私も経験がありますが、血液が体外へ大量に流れると歩くのもキツいですし、なにより筋力低下によって脚が重くなるので、車いすを使える状況ならできる限り使いましょう。

従って家族や支援者はできる限り休みをとり、車いすを押すなり身の回りをやるなり、精神的なバックアップも含めて協力すると良いでしょう。退院時の荷物は多いですからね。

投薬治療などはありませんが、体調によってさまざまな症状が起こる可能性がありますので、その時の体調や気になるところは医師に必ず相談しましょう。奥方の場合、食欲不振や倦怠感があったので、漢方薬を処方されました。

ちなみに入院中に何が痛かったかを聞いてみたところ、「カテーテルを固定しているテープを背中から剥がす時」との回答。手術中は眠ってるし、注射やカテーテルが刺さっても全然痛くなかったみたいなので、個人差はあると思いますがそれほど恐れることも無いでしょう。それにしても手術そのものより「テープを剥がす時」ってアンタ…。

おわりに

「手術」と聞くと怖いです。

コレを書いている私は今年に入り手術を2回行っておりますが、今回子宮を全摘出した奥方へ「経験者」として教えられることは何もありませんでした。そもそも手術の種類が違うこともありますが、深層心理に宿る恐怖はどんな種類であれ、自分ではコントロール出来ないものだから本当に「怖い」と思うのですよ。

私も当然怖かったし、奥方も怖かった。
怖いと思っていなくてもなんだかどこかで怖がっているのが我々人間なんです。

だからそれに立ち向かい、安心させてくれる医療従事者には感謝と尊敬をするし、いるんだかいないんだかわからない神様みたいなものにすがったりするし、同じような体験をしている人のブログやらを読んで、少しでも「うまくいくように」考える事が、手術を待つ人達の心理なのではないでしょうか。

今回の様に子宮筋腫や子宮全摘出にのぞむ女性は、病院に一緒に付き添った私が見たかぎり、意外と多いと感じました。情報だけでは救えませんが、この体験談で少しでも「安心感」を与えられたらと思います。

コレを「書け」となぜ奥方が言ったのかというと、 子宮全摘出手術や子宮筋腫を「開腹手術」で行った記録やブログがあまり無かったらしいのです。つまりは奥方も、さまざまな体験談を見たりしていたのでしょうね。

まとめとして奥方が伝えたい事は手短にあるかと聞いたら、「あんまり痛くなかった」ということです。※個人差あります。本当に大変なのは、手術中に大事がなければ「手術前」と「退院後」です。その辺りは改めて別記事でまとめていきますので以後よろしくおねがいします。

ね、長かったでしょ?