手術って、少しでも「良いこと」を考えないとやってられないですよね。だから私個人的に「メリットとデメリット」って書きたくないのですが、あえて今回「子宮全摘出のメリット」について、奥方に話を聞き書いていきます。
関連記事 子宮全摘出(開腹手術)の記録 手術当日編
hiderino-akihito.hatenablog.com
関連記事 子宮全摘出(開腹手術)の記録 手術前と持ち物準備編
hiderino-akihito.hatenablog.com
子宮頸がんのリスクがほぼ無くなる
子宮そのものが無いわけですから子宮頸がんのリスクは無くなります。奥方のように卵管も摘出してしまえば「卵巣がん」のリスクも少なくなります。
※卵巣がんの6~70%は卵管に出来るということから
ただ、がんはさまざまなところに出来るので全てにおいてリスクゼロというワケではありません。婦人系の病気はいろいろあるので(それを言ったら男も同じですが)、がん検診を受けなくて良いというものではありません。
子宮筋腫の再発生がなくなる
元々、我が奥方は「子宮筋腫」の摘出を行う手筈だったのですが、あれよあれよと「子宮の全摘出」となってしまった理由のひとつに、「筋腫は再発する」ということがありました。
摘出しても、またできる。
それで入院、手術する患者さんがとても多いようで、その都度たいへんな想いをするのも辛いですよね。奥方の場合は子宮全摘出によって「子宮筋腫」で悩むことから逃れたともいえます。
おなかまわりがスリムになる
子宮筋腫の影響か、年齢による代謝低下の影響か、ただの食べすぎか。近年の我が奥方は「ポッコリおなか」状態ではありました。
筋腫も大きければ無論見た目にも影響するので、筋腫の存在に気づかないで 「ただの食べ過ぎ」と楽観視してはいけません。
筋腫もろとも摘出してしまうため、おなかまわりがスリムになるようです。
レディースデイが無くなる
当ブログでは女子の月イチくらいの大変な出来事の事を「レディースデイ」と 便宜上書いておりますが(男の私が書きづらいこともあり)、そのレディースデイがなくなることが最大にして最高のメリットだと我が奥方は、いや、経験者各位殿は語っております。
我々男には決して理解できることではありませんが、なんせ「最大にして最高」と言わしめる大事ですから、これぞメリットと言っても過言ではありません。
メリットは多々あるようですが、デメリットもバランス的に書いておかないと いけなさそうなので、「子宮を全摘出するデメリット」を頑張って書きます。
子供が産めなくなる
子を宿すことが出来なくなります。
ひとによっては最大にして最悪のデメリットとなりえます。 我が奥方の場合、「年齢的にもう無いだろう」ということで重い決断ではなかったようですが、人によりますよね。
これについては男の私がアレコレ言うの辞めておきますが、話し合いの結果、奥方を尊重するに至りました。
が、
体外受精、代理母出産で子を産むのは可能かもしれません。日本じゃ無理か…。
洋服のサイズがあわなくなる
おなかまわりがスリムになるというメリットを書きましたが、スリムになったことにより所有物にマッチしなくなるのはデメリットといえます。
実際我が奥方は退院し、自宅に戻るとおおかたの服がブカブカ状態でした。 それは「子宮摘出」というよりもホルモンバランスがメチャクチャになったことによる体調不良で、ほとんど食事ができなかったことの方が影響しているのですが、退院後、時間が経過し食事ができるようになった状態でもズボンが落ちてくるほどのウエスト具合な為、洋服を調達する必要がありました。
これは予期せぬ出費の為、デメリットともいえますね。
それら以外にデメリットがない
奥方と意見交換し、デメリットを探しましたが、上記2点以外のデメリットは思いつきませんでした。
卵子は残っているため、いわゆる「更年期」が無くなるといったことは無く、メリットの部分も上記以外には無いような気がします。
とにかく「手術」というものに恐怖を抱かないひとはいません。
手術前に体調が悪くなることもあり、終わってみれば痛いのは「医療費のみ」 となってしまったのが我々夫婦の体験であります。
それもこれも、手術が「うまくいった」場合なので全ての人に「安心ですよ!」とは言えませんが、前向きに考える事は悪いことではないので、どーせ手術するならメリットを考えたいじゃないかっ!的な精神で手術に望んではいかがでしょうか。
男である私が女性の事についていろいろ考えると、「女性の大変さ」がわかります。※完全にはわかっていませんが…
だからこそ「男は女を守る」的な古い思想も、あながちおかしなことでは無いのだなと思いました。
助けるし、時には目を瞑る。
それができたら私も良い男になれるのではないでしょうか。
って。
オヂサンになってから気づいたのでは遅いですな。
以上で私の奥方の「子宮筋腫摘出(開腹手術)」の記録はおわりです。術後、半年以上は経過しておりますが、体調は問題なく安定しています。
が、
やはり精神的なものは不安が多く残っているようで、ひとりでの散歩中に具合が悪くなって救急車に乗ったりと、不安定なところも見受けられます。
まぁそれは私も手術したり死にそうになったりして気持ちはわかるんですよ。具合が悪くなくても精神的に平気でも、深層心理では怖がっていたり不安に陥ったりしてるんですよね。
実際のところ、気のせいだったりするんですよ。
日々、何も起きなかったことを実績として積み上げ、具合が悪くなりそうでも「このあいだも気のせいだっただろ?」と言い聞かせながらおのれをコントロールするのが術後の大変なところではあります。
手術が終わっても、まだ終わりではない。
人間ってやつらが強いんだか弱いんだかを噛みしめる良い機会だろうなと考えます。これ以来、私は病院にいる人や弱っている人(特に女性)にはめっきり優しくなっており、ワシが助けてやるぞォ!みたいな感じになってますが、男では手を差し伸べられない領域みたいなのってあるんですよね。
今後、当ブログではこういった視点からの記事を織り込みながら緩く更新していくと思いますが何卒。「子育て」とか「親目線」とか謳っておきながら「病院で出会ったクソジ●イ100選!」とか書くかもしれませんが、どうぞよろしく。