ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

愛について少し

私が読者登録をしているかたのブログで、

子育ての目標は難関大学にいれることでも、有名企業にいれることでもない、 子供に愛されていると思い続けられること。

とあり、最近ではこういう意識で親をやっているひとって少ないんじゃないかと思ってしまった私。

そりゃあ、子供のことを考えて
良い大学まで導いて、一流企業でぬくぬくさせたい というのも、子供より長い人生で学んだ社会というものからくる親心かもしれないのですが、 あまりにも社会に組み込むことを考えすぎて、人間らしさって忘れちゃいけないよなぁ、 社会は親よりも何もしてくれないのになぁって思うし、 子育てを人間らしくするということを再認識させられたブログエントリーでありました。

愛情ってそう。
わかるようでわからない。
伝わるようで伝わらない。

温かくて厄介で、多分自分が死ぬ頃になってようやく気付くことなのかもしれないけれど、 ちょっとだけ考えてみよう、愛について少し。

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私の愛読書である漫画
MASTERキートン」の、とある話。
最愛の妻に先立たれた夫が、神父にこう相談します。

妻が亡くなって生きるのが嫌になるくらい悲しかった。 それでも数日経つと、徐々にいつもの暮らしに戻りはじめ、 時には友人と話をしたり笑ったりもした。 私は妻を心底から愛していなかったのか。 悲しみが続かないことに悲しくなった。

森山直太朗の唄
「生きてることが辛いなら」
の歌詞にあるように「3日と経てば元通り」になってしまう我々の日常。 自分に愛情があったと確信していることなのに、 なんでいつものように「元通り」してしまうのだろう。

それに対して神父は。

人間はひとりひとりが孤島だ。
人間は一生自分という宇宙からは
出られはしない。
お互いが分かりあっていたなんて
幻想にすぎない。

と返す。

妻に注いでいた「愛情」というものはあなたの中にあっただけであって、 妻が本当にその愛情を感じていたかどうかはわからない。

結局、愛情というものは独りよがりなものなのだろうか。 だったら悲しい。

自分で悩み、考え、「愛」というものと、 「伝える」ということを親の使命と思っているのに。


子供に限らず、愛というものは独りよがりなのかもしれない。

ひとを好きになる時に、多分みんな気付いていることじゃないかと思う。

私はあなたが好きだから、あなたも私を好きでいてほしい。 これは願望だし、ひょっとしたら私欲なのかもしれないけれど、 「共同作業」みたいなものでは決してない。

そうなると愛する相手には、愛する子供には、 こちらからの「愛している」は伝わらないのかもしれない。 一方的にぶつけるだけなのかもしれない。

だから、難しい。

でも難しいからといって投げ出すのもいけない。 伝えようとしなければ、伝わる可能性は少しも無いのだから。

それで努力するのかなぁ。
学校でも、実の親からにも学ぶことができない 「愛情の伝え方」 という事には、人類はいつまでたっても答えを出せずにいるんだ。

そう思わなきゃやってられない。 だから、伝え方に「良い」も「悪い」もない。 時に屈折してしまうのも、本当は補正しなければいけないんだけれども、 仕方のないことなのかもしれない。


漫画「MASTERキートン」で神父は最後に

人間の心は本当は通じ合って
いるかもしれない。
本当のことを知るには
奇跡を見るしかない。

地球の神秘を皆で共有することで同じ場所で、同じ時間、 同じ意識を感じることができる! みたいな終わり方をするのですが、 あまりにも「奇跡」なんてスケールが大きすぎるので、 私なりにまとめると。

人間の心は本当は通じ合っているかもしれない。 それを確かめるには、同じ想いを共有すればいい。 愛情を確かめるには、同じ想いを共有すればいい。

良い思い出を共有する。
楽しい経験を共有する。

楽しいと思ったことは皆で「楽しい」と思っている。 少しでも同じ想いを共有したければ、相手のことを考え、 その機会を増やすことではなかろうか。

相手のために、子供のために「楽しいこと」を少しでも考える。
その「想い」こそが「愛」であり、
その「行動」が「愛情」・・・。

理屈ってヤ~ね。


自分で書いて、自分で嫌になってしまったけれど、 愛なんか掘り下げて「語」っちゃダメなのかもしれません。

伝えようとする。
伝えようと頑張る。

それだけで充分。

答えなんてわからないし、愛情が伝わってるかどうかは 確かめようがないけれども、 少しでも大切な相手と同じ想いを共有できるように、 まだまだ死ねないなぁ・・・ と思った私は、甘~いお菓子に伸ばした手を止めた。

written by 日照ノ秋人 語ってしまった・・・。