ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

人生最後の革靴を

3年ほど愛用している安物の赤茶色の革靴が壊れたので、それに代わる靴を買おうと画策していたのだが、安物を3年周期くらいで買い換えるか、こだわりの逸品を長年履くのかで悩んだ。

仕事の靴は良いものを履き、せいぜい日曜にしか履かない私服用の靴は安物を履くというのが私のポリシーなのだが、心臓がおかしくなってすっかり弱気になった私は「人生最後の革靴になるかも」とやや大袈裟なマインドではあるが、ふと思った次第である。※死を宣告されたわけではありませんのでまだまだ生きます

最後は良いものを履きたい。
お金が無いから、そんな事考える。

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カジュアルな革靴

巷で売られているカジュアルな革靴は、薄い合皮がウレタンみたいな素材に貼られているようなニセ革靴ばかりである。私にとっては「せいぜいお休みの日にしか履かない」ものなので、安物でも良いと思っていたのだが安物の革靴は壊れ方があまりにもダサいのだ。

ダサすぎて「もうこんな安物履きたくない」と思ってしまう。なぜなら、ビジネスホテルのフロントなどで書く個人情報の「ご職業」欄に「ロックンローラー」と書く私である。※「あ、そこは書かなくて結構です」って言われる

ロックンローラーがダサい壊れ方をしているニセ革靴を履いて良いワケがない。人生最後になるかもしれない革靴、ロックンローラーな革靴を考えた時、 「良いものにしなければ」と答えを導き出した私である。

現代人は革靴を履かないらしい

大きな災害にあうことが増えてきた昨今。

避難するときなどで「歩く」機会が増えるという予測が増えてきた。電車が止まってしまって歩かなきゃいけない、なあんて事態も日常的にあると「革靴じゃなくてスニーカーだったらなぁ」と思うときがある。それらを考え、革靴よりスニーカーを選ぶ人が多いようなのだ。

実際靴屋に行くと圧倒的なスニーカー、ウォーキングシューズの品ぞろえと、 すみっこに追いやられホコリを被った売れない高級革靴という図式である。牛くんを育てる人も少なくなっていくと聞くし革製品自体が無くなる日も近づいているようだが、これじゃあ革靴があんまりである。それくらい革靴というものが売れないのだ。

革靴でも「ビジネスシューズ」ならまだ多い方だが、 「カジュアル革靴」となるとミョーな安物が売れ無さそーに 通路に置かれているくらいである。 ロックンローラー的でカジュアル革靴を探している私にとって、 あまりにも選択肢が少ないというのがなんだか寂しいのだが、 それが現代の世間のニーズなのだ。

Dr.Martens

赤茶色の革靴、ロックンローラー、それらを満たす革靴を探した結果「Dr.Martens」に行きついた。誰が流行らせたかはわからないが、服屋でも売っているソレは皮も柔らかくとにかくモノが良い。※あの廃墟好きブロガーもご愛用

だがケッコー高価なのと、ソールがメチャクチャ重いという所が私の心にひっかかった。高価なものはお仕事を頑張ったりすればなんとかなるが、重さは身に着ける上でおじさんには結構な負担になる。

真っ暗な電車を線路の途中で降ろされスタンドバイミーをしろと言われたら、きっと心が折れる程の重さである。でもまぁ、よぉく考えたら革靴なんてものは重いに決まっている。割り切って履けばロックじゃないかとワケのわからないマインドに持っていき試しに履いてみたところ、所有しているティンバーランドのブーツよりも重く「これじゃエフェクターが踏めない」という謎の屁理屈をこねて脱いでしまった。ティンバーランドのブーツは足裏のくぼみにエフェクターのスイッチがハマってしまうのだ

日々履いていればきっと鍛えられ重さも苦にならないのだろうが、お休みにしか履かないのなら馴れにくいし、何より靴が可哀想な気がする。ではそれ以外を探してみると、安物の靴しかないのである。 何故、赤茶色の靴は少ないのだろうか。ただでさえ革靴が買われなくなってきているのに「赤茶色」というだけで絶滅危惧種。だからDr.Martensが人気なのだと納得してしまったのだ。

ファッションの変化

最近のファッションを見ると、私が小学生だったバブル期のファッションに似ている。ちょっと前まで「ダサい」と言われ店頭になかったものが今では溢れているのだ。それと引き換えに以前あったものが今になって無くなっている。ラバーソールとかアイリッシュセッターはどこにいってしまったのか。多くの「ご愛用」が、いつか世間に「古い」とされてしまうのは悲しい。※Redwingsの靴は久しぶりに見つけた。4万の靴は売れるのだろうか。

おそらく赤茶色の革靴を求めること自体が古いのだ。不思議なことにDr.Martensを求める事は古いことでは無いらしい。すると、ロックンローラーDr.Martensを買い求めなければならないという極論に行きつく。

世間のファッションは選択肢が狭い。

だから無難なユニクロはオジサン達に支持され、若者からはそっぽ向かれるのだろう。これから自分の年齢を考え、服を買うこともそう多くは無いと思うと「流行りの服を買ってもなぁ…」って躊躇してしまう。トレンドに敏感すぎるオジサンって世間的にどうなのだろうか。皆おそらくそんなことを考えすぎて「ユニクロ」に行きつくのだろう。そこを狙っているのだとしたら、ファーストリテイリングはなかなかのヤリ手だと思う。

ロックじゃないけどね。

written by 日照ノ秋人 ミュージシャンにも革パンがいない(氷川きよし除く)

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