ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

barにひとり-TAKE4-

bar 「時の扉」

日頃の喧噪を忘れ、 ひとりで飲むには居心地の良い場所。

f:id:hiderino-akihito:20180930223204j:plain

いつものように ひとりで飲んでいると気になる男が。

酔った勢いもあり話かけてみた。

ちなみに、男は名乗らなかった為、 仮に「稲葉」としておく。

-こんばんは。

稲葉:こんばんは。

-結構飲んでますね。

稲葉:・・・、まあ、心配ない問題ない。

-ヤケ酒ですか?

稲葉:ちょっとね・・・。

-会社の帰りですか?

稲葉:そうですね、電車乗って帰らないと。 電車・・・乗りたくないなと・・・。

-なぜですか?

稲葉:終点のない列車ならよかったのにって思うから・・・。

-病んでますね、おひとりですか?

稲葉:いえ、連れがトイレに行ってます。 ずいぶん経ちますが・・・。


その連れの男は、しばらくして帰ってきた。
やはり名乗らなかったため、 仮に「松本」とする。


稲葉:長かったな。

松本:・・・。

稲葉:おなかでも痛かったのか?

松本:・・・。

-無口な方ですねぇ。

稲葉:こいつしゃべらないんで。

-何か悩んでるんですよ、きっと。

稲葉:君はいいよ、ギター弾いてるだけなんだから。

-ギタリストなんですか?

稲葉:そうなんですよ、たまに口を開けば「GUITERは泣いている」なんて言って・・・。君はいいよ、君の中で踊りたいよ。

松本:Don't make me down!

-おおっ、しゃべった!

稲葉:いつもこれくらいのことしか言わないんですよ。

-おもしろいですね、何かオゴりますよ。

稲葉:じゃあ、俺、ウィスキーならなんでもいい。

-水割りですか?

稲葉:いや、オフ・ザ・ロックで。

松本:・・・。

-え、なんですかソレ?

稲葉:笑うところですよ、コイツ笑わねぇな。同じのでいいか?

松本:・・・。

稲葉:いいって。いやぁ、ありがとうオゴってくれて。 少し気が晴れたよ。

-いえいえ、やっぱり何かあったんですね。

稲葉:確かなものは闇の中ですよ。

-今日は忘れましょうよ。

稲葉:今日はかなり酔っ払ったな、オイ、そろそろ帰るか?

松本:・・・。

稲葉:まだ飲むか?

松本:・・・。

稲葉:そうか、SAVE ME!?ってやつな。

-言葉を発してないのによくわかりますね。

稲葉:まあ、長いからね。オイ行くぞ。 電車に遅れちまう。

松本:・・・。

-まったくあせってませんね。

稲葉:こいつはRISKYだなぁ・・・。

松本:・・・。

稲葉:コラ、Hurry up!今なら間に合う。 今日は家に帰らねぇからよ、泊めてくれ。

松本:・・・。

稲葉:そして、となりでねむらせてくれ。

松本:Getting lose,Yeah!

-ああ!しゃべった!
でも意味がわからない!

稲葉:笑うところですよ、あ!こら!手をつかむな! だからその手を離して


なんだかんだ言って、仲良く出て行ったふたり。 そして、彼らの伝票もまた宙ぶらりんのままであった。


-また俺が支払うのかよ。

上杉:さようでございます。

ちなみに店のマスターの 名前は「上杉」である。

-じゃあツケで。

上杉:今日は払ってくださいよ。

-・・・この悪魔。

上杉:私は天使になんてなれなかったんでね。

-・・・。

上杉:今のは笑うところですよ。


こちらもおねがいします。
悪意は一切ございません。

hiderino-akihito.hatenablog.com