ふにゃふにゃフィロソフィー

真の父親とは、男とは何かを考えるブログです。

barにひとり-TAKE5-

bar 「時の扉」

日頃の喧噪を忘れ、
ひとりで飲むには居心地の良い場所。

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いつものように
ひとりで飲んでいると気になる男が。

酔った勢いもあり話かけてみた。

ちなみに、男は名乗らなかった為、
仮に「T森友」としておく。

-こんばんは。

T森友:こんばんは。

-どうしたんですか、うつむいちゃって。

T森友:彼女が「愛なんて存在しない」というんだよ。

-それで傷心なんですか?

T森友:純粋がゆえに傷つく、悲しい現実。

-根が純粋なんですね、別れちゃったんですか?

T森友:「またな」といつものように別れた。

-ドライですねぇ。

T森友:痛いよ、悲しみが痛いよ。

-まぁ、飲みましょう、おかわりいかがですか?

T森友:じゃあマスター、「No.1 Girl」のカクテルを。

-え、そんなのあるんですか?

T森友:美味いんだよ、「マリア」というのもある。

-へぇ、どんな味なんですか?

T森友:心の色 にじませた罪だけがただ苦い。

-あ、苦いんですね。

T森友:弱いやつは吐いちゃうぜ。

-吐くほど呑んだことありますか?

T森友:弱音なら吐いたけど、途中下車イヤだったから耐えた。

-へぇ・・・(うまいこと話変えられてよかった)

T森友:泥だらけのエピローグさ。

-(うわっ、思い出しちゃった。)

T森友:笑えるさ。

-いや、笑えないっす。まあまあ、未練もなさそうだし・・・

T森友:いや・・・。

-え、あるんですか?

T森友:話したくはない。

-え?・・・

T森友:ありがとう、勇気づけてくれた。

-あ、そりぁどういたしまして。

T森友:Bye for now!

-あ!ちょっと!

そういって席を立ち、出て行ってしまった。

閉まりかけのドアから「素敵な別れさ」というような声が聞こえたような気がしたが、またもや伝票が宙ぶらりんのままであった。

-うん、そうだよね。

上杉:はい、さようでございます。

ちなみに店のマスターの名前は「上杉」である。

-払いますよ、キャッシュで。

上杉:ありがとうございます。

-好きでしょ?お金。

上杉:そうね嫌いじゃないけれど、なんてね。

-ちょっと、笑えない答えだな。

上杉:それ、私のですよ。


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