名古屋めし。
っていうけども、言うほど名古屋のひとって食べていないような気がする。
私もそのあたりの出身であるが、一度も「ひつまぶし」なる食い物を食べた事はないし、 甘いかコショー辛いか極端な味付けの食い物を毎度毎度食べているわけもなく、 むしろ恥ずかしいから「名古屋めし」など大々的にやらないでほしいと保守的な考え方でいる。
なぜ、そう思うのか。
私は出張で全国のあちこちにいくのだが、 「名古屋めし」なるものは本当に人気が無い、ということに気づかされる。
他県のひとからは全否定なんである。
まぁ、わからんでもない。
手羽先はコショー辛いだけ。
味噌カツは甘いだけ。
味噌煮込みはうどんが堅いだけ。
という他県の方の意見は、すべて正しい。
「だから食べたくない」という後ろに付くフレーズには、 説得力満載なのである。
食の好みはひとそれぞれだから好きな人も嫌いな人もいるわけだが、 こと「味噌カツ」については、理解あるひとが少ないように思える。
ソースでいい、あえて味噌にする必要が無い。
初対面でいきなり言われることが多い「名古屋めし批判」には、私はもう聞き飽きた。 それくらい「名古屋めし」を嫌うひとたちは名古屋の人が思う以上に多いのだ。
別に好きになれといいたいわけでも無い。 各地方にある食文化のひとつだし、批判なんかしないで触れなきゃいいだけなのに、 「名古屋めし」だなんて銘打って全国的に「広めよう」なあんてやるから名古屋の人が出先で 「赤味噌なんて信じられない」と他県のひとから言われてしまうのだ。
私は割と西の食文化が合うような気がする。
それはもちろん、東の食文化や北の食文化が合わないというわけではないのだが、
たこ焼きを食い散らかしたりしたし、だしまきなんかも美味かった。
hiderino-akihito.hatenablog.com
けれど、「名古屋めし」を悪く言うひとは、 圧倒的に「西側」に多いことに気づいた。
そりゃあもう、ズタボロ。
初対面で私が名古屋の人だと知るや、
「名古屋めし」の美味しくなさを力説する方（特に若い人）が、
ここぞとばかりに攻勢に出るのだ。
私は別に「名古屋めし」を背負って布教活動をしているわけでもないのに、 ボロッカスに言われるのである。
これも「全国に広めよう」なんてやってしまうからなのだ。 地方の食文化なんて、その地方に足を踏み入れて興味を持ったひとだけが、 現地で味を確かめればいいだけのことなのに。
私は「名古屋めし」が恥ずかしくて仕方がない。
甘くて辛くて極端で、濃いだけじゃないか。 本当はもっと素敵なソウルフードはいっぱいあるのに、 極端なところだけしか布教活動に盛り込んでいないせいで、 恥ずかしい極端な部分しか他県のひとは知らない。
それはきっと、名古屋以外の「ナントカめし」でもそうなのではないか。
大阪で食べた「味噌カツ」がまるで別物だったように、 名古屋で食べる沖縄の料理やら北海道の料理は、全く別物の偽物に違いない。
食文化の神髄は、現地で味わわずして語ってはいけないのだと思う。
それにしても「味噌カツ」を好きだと言う他県の人に私は出会ったことが無い。
大概が「ソースでいいじゃないか」と言うし、 私も「ソースで食べたい」と実は思う。 味噌はたまにでいい、ごくたまに。
結局「名古屋めし」の3トップである「味噌カツ」ですら、 地元の人から「ソースでいい」と思われているのだ。
どうせ「名古屋めし」を謳うなら、名古屋コーチンを謳ってほしいが、 一応ブランド鶏なので一斉に需要が高まるといけない。 だから当ブログでひっそりと、唯一無二の名古屋めしである名古屋コーチンを推す。
「普及を」と言う目が￥マークになっている奴が推す味噌煮込みや手羽先、 ひつまぶしなんてどーでもいいのである。
唯一無二と書いたが、本当にそれしかない。
平塚のトマトは信じられないくらい美味かった。
富山のブリしゃぶは夢に出るほど美味かった。
塩たこやきも、醤油ソフトクリームも、 全国にはまだ見ぬ美味いもんがたくさんある。
気づけば秋。
さて、今秋はどこにいこうかな。
written by 日照ノ秋人 太ってまうがね（名古屋弁）
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