ビジネス文書のテクニックに、 「数値化」というものがある。
なんかモヤモヤした説明をするよりも、 数字にした方が具体的な印象を与えるというのが「数値化」の狙いである。
片手で持てるくらいですね。
というより、
リンゴ3個分ですね。
と言った方がイメージしやすいのだ。
え、何がですって?
キティちゃんの体重に決まってるでしょうがっ!
実はよくわからない
ビジネスにはよくわからない数字がある。
20%向上、2.5割減、100人規模、3割30本30盗塁・・・
数値にすれば具体的になるはずなのに、パッと見よくわからない。
だから数値化というのは、ある意味で便利である。
具体的と言っておきながら、うやむやにできるのだ。
そのくせ、迫力と説得力があるのも不思議だ。
50グラムのお菓子が「今だけ20%増量中!」と爆発文字(ドカーン!って感じの) で書かれていても、実はたった10グラムしか増えていないのだ。
そりゃあメーカーから見れば「たった10グラム」では無いのだろうけど、 消費者から見れば「たった10グラム」である。 それでもお得感があるのだから、数字の持つ迫力には説得力があるのだ。
誇張できる
人に説明する時、説得力を増したければどんどん数値化してしまえばいい、 というのがビジネス文書におけるテクニックともいえるが、 数字に数字を重ねて「なんだかわからないが凄そう」という文書にもできる。
それを巧みに使って消費者を煙に巻こうとするセールスは多い。
うがった見方をすれば、
数字ばかり並べてやればアホは騙せる。
という悪意にも見える。
だから消費者として、数値化された文書は要注意である。
悪意を持って数字を語れば、誰かが損をし、誰かが怒る。
お弁当を作るのに3分で出来るとか数値化するからみんなが怒り、毛髪がさみしくなってしまうのだ。
※誰とは言いませんが某有名会社役員の男性、
面倒なので仮に「田端さん」としておきます。
おわりに、数字にまつわる私が知るあれこれをテキトーに書こう。
イレブンナイン
純度が99.999999999%であるということ。 「9」が11個並んでイレブンナイン。
よく半導体シリコンの純度で語られたりするが、 物質がイレブンナインの純度だと、それはもうなんてったって凄いらしい。 まぁ、限りなく「100%」に近いということである。
フォーナイン
日本の半導体シリコン純度がイレブンナイン達成の知らせを受けた中国が 「俺たちもイレブンナインを目指そう!」と国を挙げて奮闘したが、 99.99%が限界だったという話。
フォーナインでも凄いじゃん?
サーティーワンアイスクリーム
店のロゴを見ればなぜ31なのかがわかるが、 あえてその部分を数字として拾うかね? カケフ君の背番号の話ではない。
5人目
Jリーグ名古屋某の元監督の小倉さんが掲げた標榜 「5人目までが連動するサッカー」。
その「5人目」こそ数値化でうやむやにした、いかにも背広組が考えそうな標榜であった。 おそらく小倉さんが考えたことではないと私は思っている。
どーせなら11人が連動するものであってほしかったが、 その年、J2に降格した。
数字はうやむやに出来る反面、正確な物を示すものでもある。
ウソをつかないのはインド人か数字ぐらいだろう。
正確すぎるものは嫌いだ。
だから思いっきり真実を示した数字に、 「ウソだ!」とか「うやむやにしたい!」とか思ってしまうのだ。
目の前に示された数字なんかウソだ!
数字なんか大嫌いだ!
え、何のことですかって?
自分の体重の事に決まっているでしょうがっ!
written by 日照ノ秋人
私がまだ食べてるでしょうがっ!
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